☆おしばいかずら☆

通りすがりのごくごく普通のお芝居好きのブログでございますずら。

5/15 山尾企画『ワールド』@芸術創造館

久々にこちらのブログの更新です。
今月は和歌山の劇場に行ってばっかりだったので(っても、2回しか行ってませんが!!)あっちのブログばかり更新しておりました。

主に大衆演劇メインのブログ→

☆明日のお外題☆ ~かずらの大衆演劇日記~


ということで、久々の小劇場の観劇でした。
大阪の芸創で山尾企画さんの『ワールド』です。
私が大衆演劇関係でこんなことに(苦笑)なる前から予定に入れていた公演です。
昨年末には予定出してはりましたからね!!
正直、その頃と今の自分の状況やテンションがかなり変わっているので、どんな感想を持つかなって心配してたりもしてたのですが。
がっつり感想を書きたくなる素敵な公演だったので、書きます。

あ、他の公演も書きたいけど、書いてないのとかあるんですよ……
しかし、ちょぴっと書きたい度が勝ったので、先に書いちゃうのも事実です。

ちなみに今年観劇したお芝居でがっつり感想を書きたい公演はこんな感じです!!

2015.3.14 追撃☆ニトロ『逃げる五右衛門』
2015.4.17 演劇秘密結社ピーピー・スー『秘密廃園』

どちらも当日のアンケートにゆっくりは書けてないので、がっつり書きたいのです。

既にがっつり書いた公演
2015.2.11 『隣人の奏でる和音』
西永さんの公演は次は舞台は秋らしいので、それまで落ち着いてるかしら……とか思ってたら、こんなことに!!!(苦笑)


さてさて、話がそれましたが、『ワールド』の感想ですよ!!

『ワールド』は4月のイベントにも参加させていただいたのです。
4/1 山尾企画プレゼンツ『シュークリームにワサビ入れすぎるんじゃない』 @かつおの遊び場

この日の山尾さんは白かったんですが、今回のピエロさんは白くなかったですね。
なんか、白い印象が強すぎて、白くないと不思議な感じがしちゃう……しかし、4月の日記では白くてびっくりしたとか書いててどっちやねんな感じ。


今回の公演は昨年の12月の『はんかい電車』の時には告知が出ていたので、約5か月前からのお楽しみだったということですね!!
ちなみに昨年の観劇の中では12月の『はんかい電車』は一番楽しかった公演でした。
良かった。とは違うのです。いや、勿論、よかったんですけれども!!
あ、私、多分、この人達のこと好きだなあって、そんな感じでしたね。
お芝居が好きで好きで、それが公演に詰まっていて、私はそういうのが大好きなので、大好きだなあと思うわけです。
なので、感想も評価も、作品だけではしてないと思います。
そういうの良くないんじゃないの派の人もいらっしゃると思うのですが(なんかこう……慣れ合いいくない!!みたいな)まあ私はそういう人なので仕方がないのです。

昨年の12月にわりとゆったり山尾さんとお話をする機会があって、
『半分出来ていて、残りの半分が大変なんですけどね』みたいに言ってはった気がします。
はんかい電車の公演の時点で、『ピエロが女の子を笑わせる話です』ってはっきりと内容を言ってらしたので、もう台本書き始めてるんでしょう?みたいな話をしたんだと思います。
ちなみに4月のイベントの時には台本が全部仕上がってるのが凄いと思うと伝えたら、『当たり前じゃないですか』としれっと言いはったので、凄いなあと思ってしまった私なのでした。
あ、この人の公演は安心して行ける公演だなとも思いましたね。

『開演前から楽しんでもらいたい』

そう、4月のイベントの時に言ってらして、その言葉通りの劇場になっていたと思います。
『楽しんでもらいたい』っていうのを詰め込んでるのがよくわかる。
でも、私が観劇させていただいた初日の時点では、それはよくわかるけど、そっちに重きを置きすぎて、手薄になってる部分があるようにも感じました。
それはとてもとても残念でした。
それやっちゃったら、楽しんでもらおうとしてるの、台無しになっちゃうよって、開演前はとても心配になりました。
多分、これが面識のない方の公演だったら、心配ではなく、不快だったと思います。
勿体ないっていう気持ちは、とてもとても強く感じました。
とても楽しみにしていた公演だったので余計に、です。

上演時間の110分の間はとても素敵でした。
演劇だから出来る表現、楽しみ方、だったと思います。
芸創のホールの半分くらいが舞台になっていたような感じだったのかな。半分は大袈裟かもですが。
あれだけ近い距離で、あれだけ使用範囲の広い舞台を観ることはあまりないような気もします。
ああ、客席も舞台にしてしまってるのね……みたいな感じがしました。
なので、本当、DVDで……と言うより、劇場でリピートしたかったです。
ああもう仕事が憎い……初日がたまたま休みで、いい状態で観れただけ良かったんですけどね。

創作物が国によって管理された世界。
選ばれた者だけが、表現することを許された世界。
素晴らしい作品だけが、存在を許された世界。

そういう作品、でした。
それはわりと個人的にこの1年くらい考えていたことに凄くシンクロしていて、凄く色々考えました。
考えたってのもちょっと違うかな。ああそういうことよねって、まとめてもらった感じかもしれません。

『舞台に立つべき人間』

それを凄く考えてた時期があったのです。
『ワールド』の作品の中では国に管理されて、素晴らしいものだけが許されてるのかと言えば、実際にはそうじゃなくて、お金が動いて私腹を肥やしている人間がいる……という話だったのですが、そうじゃなくて、本当に素晴らしいものだけに絞り込まれていたとしても、それが本当に幸福なことなのかどうか……みたいに考えるわけです。

『笑わせたいんだ』
山尾さんの演じるピエロは、何度もそう言います。
多分、それは『素晴らしい芸がしたい』とは違うんだと思います。
最後に女の子はピエロの前で笑うけど、それはピエロの芸に対してではなくて、
それでも、きっとピエロは凄く嬉しかったと思う。
芸を評価されたいんじゃない。笑って欲しい。本当にそれだけ。それでいい。
多分、そうなんだろうなって、私は感じました。
その解釈があってるかどうかは、わからないですが。

キャストさんも15人と、とても多かったです。
何かしら他舞台で拝見した方、4月のイベントでお会いした方……もいたのですが、基本的には山尾さんと日高さん以外は他の紐付けを一切せずに観た感じです。
あ、徳丸さんは『ああこの人がパンダさんの中の人か……』と思った気がします。
でも、そこまで多い!!と感じることもなく、なんでしょう大勢出てはるのに、ある意味でまんべんなく出てはって、この役いらないんじゃないかなあって役もなくて、それはとても素敵だなと思いました。

作中では描かれていない物語の欠片も散りばめられていて、きっと作り手の方々の中にはそれがしっかりとあったりするのではないかなとかと思って、それも観てみたいなと強く思いました。
もしかしたら、なかったりするのかもしれないけど。
でも、そうやって考えることが出来るのも素敵だなと思います。
山尾さんが書かれた戯曲の段階では本当に決まってなかったりするのかもしれません。
でも、きっとキャストの方々の中にはあったんじゃないかなと思います。
それは聞いてみたいなとか思ったので、また次の公演の時にでも聞ける機会があったりしたら嬉しいなあと思いました。

ある意味、とても地味な舞台だったと思います。
なんか地味って言葉だと、印象が悪い気もしちゃうんですが。
派手なダンスや殺陣があるわけじゃない。
でも、物語が、言葉が刺さる舞台、でした。
観たいものが舞台の上にありました。
観せたい、観て欲しい、そういう気持ちが詰まった舞台を観たいんだと思います。
舞台の上で生きている、その世界の人達が観たいんだろうと思います。
だから、凄いものを前面に出されても、違和感を感じてしまうような時があって、
それこそ、選ばれた素晴らしいもの。
それは素晴らしいのはわかるけど、素晴らしいだけだよねって思うような時があります。
逆に、素晴らしいとされているものよりも劣るであろうことはわかる。だけど、自分は大好きで、幸福な気持ちになる。そういう時もあります。

相変わらず、うまくまとめられません。
それこそ、素晴らしい感想を書くことは私には出来ません。
でも、それでも、それこそ、笑ってくれたら嬉しいなって思うわけです。
本当、自己満足、ですね。
それでもね。
伝えたいって思っちゃうくらい、伝えてもらったんだと思います。


本当、山尾さんはお芝居を作るのが大好きなんだろうなあって思いました。
だから、周りにそういう人達が集まってるんでしょうね。
舞台の上にあがってらしたキャストさん以外も、きっと舞台の上にいたんだと思います。
周りのいろんな人の応援とか思いとかそういうのを纏って、役者さんは舞台に立っているんだと思うんです。

でもって、こうやって長々と書いていると、
他人事のように『お芝居を観るのが大好きなんだろうなあ』と自分に対して思ったりもするわけです。