☆おしばいかずら☆

通りすがりのごくごく普通のお芝居好きのブログでございますずら。

2015年2月11日『隣人の奏でる和音』@小劇場てあとるらぽう

久々の、今年初の観劇上京でした。
ThE 2VS2さんの『東京23区』ぶりですよー。でもって、来週は大阪で『大阪24区』ですよ!!

公演の告知が出たのが1月10日あたりだったので、既にシフト希望の締切が過ぎていたので(毎月10日までに3日間だけ休み希望が出せるシステム)諦めていたのですが、たまたま11日が休みだったので初日に観劇出来ました。
それでも、休みだったとは言え、日替わりゲストの加藤さん以外は初見の方ばかり(そして、加藤さん目当てで行くとかでもなく)なので、かなり迷ったのですが、結論として、行ってしまって大正解でした。
初日に観劇はいいですね!!まだやってるから、『観に行って!!』が言えるもんね!!!

ということで、感想を書くわけですが、ネタバレを多々含みますので嫌な方は観劇後とかに読んでいただければと。
読んじゃって大丈夫な方は読んでやってください。
ちなみに私は1回の観劇予定の時は1回だと厳しいのでネタバレとかまったく気にせずに皆様の感想を読み漁っております。
で、皆様の感想から、ああかなこうかなって、妄想しながら観劇に挑むのです。
でもって、素敵な公演は私の妄想なんかより、はるか上で、そんな瞬間が私は大好きです。

 



舞台はとあるアパート。
各部屋の住人と、来訪者の話です。超ざっくり言うと。


■101号室。■

ド井幸喜君のお部屋。
病院でナンパした看護師さんを家に連れてきたらしい。

冒頭のシーンのレイ奈ちゃんのざっくりニットは凄い可愛かったです。
あのはいてない風に見える丈はいいですよね……それをぴらぴら見せちゃったりするのも可愛い!!
そんな明るいはじまり。
でもって、ニットが可愛かったのですが、早々にナース服です。職場から洗う為に持ち帰って来たので持ってるからって。

ずっと二人きりなら、ただのバカップルで終わるんですが、次々に部屋に来訪者がやってくる。
幸喜君は本当は長くつきあってる彼女が別にいるわけです。(でも、レイ奈ちゃんにもいます)
だから、本当のことは言えない。

職場の友人のフワが見舞いにやってくる。つきあっている彼女で、ナース服を着て仕事をしている風俗嬢だと言ってしまう。
フワはそういう設定のお店で働いているのだと思い込んで、彼女に話しかける。でも、本当は本物の看護師なので看護師の仕事への質問として応対する。
話がずれてはいるけど、微妙にかみあっているので、どんどん話が進んでしまう。

そこにつきあっている彼女のミ優がやってきてしまう。
フワとレイ奈には姉だとごまかして、ミ優にはレイ奈はフワの彼女でナース服を着たコスプレーヤーなんだとごまかす。


……うん。なんか、誤魔化す為に余計なオプションつけた嘘をついて、話をめちゃくちゃ自分でややこしくしてますね。
でも、それが噛み合ってしまう。実際には全然噛み合ってないのに。


そして、101号室にレイ奈のつきあっているソノ山も現れる。レイ奈はソノ山は父親だと言ってしまう。
101号室はそんな感じなのですが、以後、ソノ山さんはレイ奈ちゃんを捜しまわっている描写として、各部屋を訪れます。

■102号室■
女の子二人がルームシェアしている部屋……だったはず。
ちょっと記憶があやふやなんですが。

30年間、彼氏がいなくてプー太郎の美レイ、
きちんと働いていて、彼氏もいて、誰からでも好かれている香緒里、
そんな二人の部屋。

そんな102号室に空き巣に入った池田。
でも、とるようなものがない。そして、散らかっている。
きれいに整えないと気が済まない池田は片づけ出してしまう。
そして、みつかってしまうんですが、頼んでいた便利屋だと誤解されてしまう。
102号室のお話はそんなはじまり。

香緒里は彼氏がいるけど、ミュージシャンで、結婚とかそういう話になかなかならない。
(ちなみに101号室の二人もそんな感じです。男側が理由をつけてなかなか動かない)
だから、他の人と結婚するって言ってみたらいい。池田にその結婚相手のふりをしてもらえばいいんだと美レイが提案する。
そう美レイちゃんが提案したんですよね。
もうね、これ、客席全員が『いや、お前がやるって言うたんやろ』って突っ込みたかったと思いますよ。(全員関西弁はありえへんやろとかっていう突っ込みはなしでお願いします)

美レイちゃんの暴走っぷりはかっとんでいて素晴らしかったです。
池田との会話で、自分との共通点をみつけてときめく。でも、それはビールが好きだとか、休みの日は家にいるとか、猫が好きとか、けっこうな確率で同じになっちゃうようなこと。
でも、それを彼女は『運命かもしれない』と言い放ちます。
その割に、香緒里の結婚相手のふりをしろとか言うわけです。でもって、自分ではじめておいて、『そんなの嫌!!』とか言い始めるわけです。
ええもう彼女は行き当たりばったり的に、でもその瞬間瞬間においては常に本気なんだと思います。

作中にはそんな描写はなかったと思うんですが、美レイちゃんは香緒里ちゃんが大好きなんだと思います。
自分の持ってないものを全部持ってる。ずるい。
『嫌う人なんかいない』その言葉に自分も思いっきり含まれていたでしょう。もしかしたら、一番かもしれない。
多分、最初の提案も香緒里ちゃんに幸せになってもらいたいって気持ちなんだと思います。まあ以後、暴走しちゃうわけですが。

香緒里ちゃんと池田さんの作中での演技の本気っぷりと、自分が演技をしろって言っておいて本気で嫌がったりショックを受けたりしている美レイちゃんの姿は、うまいこと説明できないんですが、多分、客席の気持ちはひとつになってたと思いますよ。

香緒里ちゃんの彼氏の宏樹君は自信をなくしちゃってる人でした。
うまくいかない、養ったりとかできない、だから、他の人と結婚するとか言われても、受け入れてしまう。
女の子からしたら、それに対して、『どうして?』って思ってしまうわけです。
私はあなたが好きなのよって、あなたは私の好きな人なのよって思うよねって、見てて凄く思いました。
結婚もしたいかもしれないし、結婚をすることが先にある人もいるかもしれない、
でも、私はあなたが好きなのよって、そういう気持ちなんだと思います。

■103号室■
漫画家ファニー・パパラママの部屋。
一緒にいるのは新米編集者のソラ。
締切が迫ってる、なのに原稿が終わっていない。
そこに便利屋のミ池が現われる。
そして、3人で漫画のネタを考えることになる。
テーマは『男と女の嘘』
101号室の話と、102号室の話がファニーの漫画に集まりだす感じの話でした。
ファニーさんは2丁目にいらっしゃるような方なんですが、実は二人組でお話を考えていたのは101号室のド井の彼女のミ優なのでした。
そして、103号室に出入りしているのを見られて、誤解されてしまうのです。
でも、ファニー・パパラママが二人組なのは秘密(というか全てが秘密)だから、『死んでも言えない』
結局、ミ優さんも103号室に現われて、一緒に話を考えていくことになるわけですが、103号室でのミ優さんはかっこよかったです。
ああ……こんな風に『いいね!』『いける!!』って話を組み立てていけたら気持ちいいだろうなとか思いました。
ていうか、多分、自分にもそういう瞬間はあって、あんな感じだったりしちゃうのかもしれません。
ミ優さんの描き上げたネームの作画を、一晩で描き上げるって、『私を誰だと思ってるの』って言い放つファニーさんはかっこよかったです。……実際にはあんな枚数一晩で描きあげれないだろとか突っ込んではならんのです……そこは舞台の嘘で、舞台のいいところですからね!!!

話を考えながら、実際に演じてみたりするわけです。
そして、101号室と102号室で繰り広げられていた出来事が被って展開されていく。
基本的にはミ優さんがお話を考えるわけです。自分は(自分にあたるキャラクターは)幸せにならない形で。
でも、それをファニーさんはそこは変えましょうと言う。
これは私の勝手な解釈なんですが、ファニーさんはミ優さんが好きだったんじゃないのかなあ。
ファニーさんは元天才子役だったそうです。全てが自分の気持ちを閉じ込める為の演技だったりしたら、それはせつないかもしれません。(いや、本気で私の妄想を相当に含みますが)

各部屋のお話を書くと、こんな感じでした。
ああやっぱ、記憶が色々と抜け落ちてるのが悔しいです。
でも、だからこそ、観たくなるって部分もあるんですよね。
受け止めて、受け止めて、零れ落ちないようにしたいのに、でも、零れ落ちていってしまうんですが。


私の西永さんの作品との出会いは2007年版の『アンラッキー・ディズ』でした。
元二人組の漫画家さんのお話です。おや、なんか直近で聞いたね!!!
あの舞台も、フランケンさんが『俺だったらこうするね!!』ってネームを描いていくシーンがかっちょよかった……
『ハッピーエンドがいい!!』って言い放ったこまっちゃんがとても可愛かった。
多分、あの作品も、今回の作品の中にもいるんだと思います。きっときっとね。
全部の作品を観ることは出来ません。(観たいけどね!!)
でも、観れなかった作品も、これから観る作品の中にいるんだと思います。
だから、観劇後に次の作品が楽しみで仕方なくなってしまうのです。

相変わらず、まとまってないし、何も伝わらない感想文な気がしてもどかしいのですが。
今回はまだ千秋楽まで日がありますので、是非、観に行っていただきたいです。
初日の私が観た回は空席が目立ちました。
観に行くとね、観に行って!!って言いたくなると思います。
だからね、観に行っていただきたいのです。
でもって、観に行って!!って言うのはわりと楽しいです。
実際に観に行ってくれた人がいて、面白かったって言ってもらえたら、ガッツポーズをしたくなります。自分の手柄でもなんでもないのにね。